'67 ミュージック・グラフ ← →
音出誌タイプ以外の商品の発行所を「ふらんす書房」としたミュージック・グラフだが,昨年12月,本社名で発行したMG−3001,4901はそれぞれ紙工作セット,85頁の書籍にシートを付録したもので,続く本年3月1日発行の4902「パノラマ大怪獣」,4月1日発行の5901「学習 世界怪獣大辞典」,その改装版6044「豪華版 学習怪獣大辞典」,立体メガネの原理を取り入れた誌面を目玉とする4月10日発行の1901「びっくり大怪獣」も同様であり,商品形態による発行所の区別が一時不明確となった.しかし,昨年末,新宿区戸塚町へ移転の後,本年2月には「日本春歌カード」が20万部を突破,3月には,資本金200万円にて「株式会社ふらんす書房」を設立,本年度より,MG,SMGなど,音出誌タイプは「株式会社ミュージック・グラフ」を,シートを付録する書籍は「株式会社ふらんす書房」をそれぞれの発行所とし,各商品に<東京・新宿>を冠して表示した.
MG,SMGのタイトルは,改訂版を中心として,MG−6041「小学唱歌ベスト30」,6042「<カラー版>日本民謡20選」,6044「<カラー版>東北民謡20選」,6046「<カラー版>童謡名曲30選」,SMG−4022「西部劇音楽名曲集」,6010の改訂版,6016「ああ、なつかしの軍歌」,6011の改訂版,6018「フォーク・ソング全集」のようにポピュラーが鳴りを潜め,5月には,歌謡曲ムードやハワイアン,GSの日音原盤を用いた20cm高音質シート1枚の「ダイアモンド・ステレオ・シリーズ」がSMD−4001からスタート,6月には,ハードカバー音出誌タイプのTVまんが・怪獣もので,やはり音楽出版社製作主題歌+ドラマ(第2,14集を除く)収録の両面シート1枚の「MGテレビコミックス」(全15集)も登場,MG−3001「キャプテンウルトラ1」から11月の第11集,3021「ちびっこ怪獣ヤダモン」まで進む.
一方,書籍担当のふらんす書房は,記号MGFを新設,MGF−3901「きりぬき どうぶつえん」より「百科」シリーズ,3902「快獣ブースカ」よりTV作品もの「パノラマ・コミックス」,3906「世界スリラー画報」よりオリジナルの「画報」を16cm片面シート1枚で出した.
非レコード会社系シート出版の低迷期である63年,ラジオのヒットパレード番組のフォノシート版といった企画で出発したミュージック・グラフは,若者向けのポピュラー・映画音楽・ギター・フォークソング,大人向けの軍歌・春歌,TV・子供のうたを展開,本年11月には,ハードカバーの「MG COLOR DELUXE」シリーズとして軍歌,山の歌とロシア民謡,映画音楽を出し,更に,昨年のヒット商品MGC−6001より一回り大判のMG−7907「世界春歌カード」を百人町光信ビルに置いた別事務所「出雲出版」として発行するが,怪獣ブームの終息に伴い返品が増大,11月30日,負債総額1億1千万円で倒産,12月15日,再建に向けての債権者会議が開かれた.
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