'63 ミュージック・グラフ →
7月,ポピュラー音楽を専門とするシート出版社「株式会社ミュージック・グラフ」が発足した.代表は現代芸術社で編集長を務めた今井恒雄,編集スタッフは今井を含め3名,撮影,録音は各1名,資本金は100万円,事務所は渋谷区宇田川町ゴールデン・ビルにあった.
同社は商号と同名の本誌「ミュージック・グラフ(M・G)」の刊行を,8月に開催された「第1回軽井沢ニュー・タウン・ジャズ・フェスティバル」の現地取材記事,鈴木弘二とクリスタル・エコーズ,島あけみらによる「キューティ・パイ」,「サーフィンUSA」,「大脱走マーチ」他,全8曲収録のニッポン・エコー製片面シート4枚,9月20日発行の「夢のヒット・パレード」より開始,毎号,映画配給会社や写真エージェンシー素材のみならず斉藤政秋による来日スターの特写などを表紙とし,湯川れい子の連載「噂の中のスターたち」,映画スチールや独自特集による「フォト・ギャラリー」などの豊富な記事と写真,レコード売り上げ・ヒットチャートに基づくティーン向けの最新ポップスと映画音楽をレパートリーに,12月20日発行の第4号「あこがれのヒットパレード」まで進めた.
なお,MとGを模った3羽の鳥と止まり木のロゴマークは,現代芸術社時代からの今井の後輩でM・Gの編集代表となる金山彰夫によるもの.また,本誌のシートには,現代芸術社の書式を改良した「通巻号数を表す英語アルファベットの大文字(64年創刊の「ミュージック・ファイブ」では小文字)2個−商品内での面番号」の表示がある.
|